About me
幼い頃から、手を使って何かを生み出すことが好きでした。
生花やものづくりを楽しむ母の姿を見ながら育ち、手仕事が生み出す美しさや、暮らしの中にある静かな豊かさに、自然と惹かれてきました。
大学では造形美術を学び、卒業後はブライダルフラワーの仕事に携わりました。
そこで感じたのは、美しいものはただ目を楽しませるだけでなく、人の心に寄り添い、空間の空気までも変えていくということでした。
その感覚は、のちに私がアートを制作するうえでの大切な土台になっています。
20代半ばでオーストラリアに暮らした経験は、空間とアートの関係に対する意識を大きく広げてくれました。
アートが特別なものとして飾られるのではなく、日常の中で自然に息づき、住まいの印象やそこにいる人の感覚に静かに作用していることに、強く惹かれるようになりました。
その後、育児を経験する中で、日々を懸命に生きる一方で、いつしか自分が本当に好きだったものや、自分自身と静かに向き合う時間を見失っていました。
そんなある時、SNSで偶然目にした海外アートが、かつて心を動かされた感覚を鮮やかに呼び起こし、内側から込み上げる衝動のまま、再びキャンバスに向かうようになりました。
私が惹かれるのは、平面的な美しさだけではありません。
光と影、時間や角度によって表情を変える立体表現、触れたくなるような質感、そして一度見て終わるのではなく、見るたびに美しさが深まっていく存在に心を動かされます。
華美な装飾ではなく、静けさの中に宿る品と気配。
強く主張するのではなく、空間にそっと寄り添いながら、心の輪郭をやわらかく整えてくれるような在り方。
私は、そうした美しさが日常にあることで、人は自然と呼吸を整え、迷いや不安が静まり、本来の感覚や自分らしさを少しずつ取り戻していけると信じています。
素材や技法は独学で探求を重ねながら、テクスチャーや陰影の繊細な移ろいを大切に、「静けさの中に息づく美しさ」をかたちにしています。
作品を通して、見る人がふと立ち止まり、自分の内側にある静かな時間と再びつながるような体験を届けられたら嬉しく思います。
シンプルでありながら、確かな存在感を。
形・質感・陰影がつくり出す“気配の美”を大切に、空間と心に静かな余白をもたらす作品を制作しています。